ドクターブロナーのマジックソープはリキッドソープ(液体石けん)から始まりました。正確に言うと、ペパーミントの香りのリキッドソープが最初で、その後、数十年経ってからソープバー(固形石けん)が登場しました。リキッドソープ派とソープバー派、どちらもこだわりのファンがいると思います。好みが分かれるところですが、実際のところ、リキッドソープとソープバーにはどんな違いがあるのでしょうか?検証してみましょう。
マジックソープ ベビーマイルド(無香料)を例に上げて成分の違いを見てみましょう。エッセンシャルオイルを含まないシンプルな石けんなので、リキッドソープとソープバーの違いが分かりやすいと思います。
マジックソープ 液体と固形の違い① 含まれる水分量
マジックソープのリキッドソープには固形石けんより多くの水が含まれています。理由は、リキッドソープには、石けんを液状に保つために必要な最低限の水が含まれており、この水の量が少しでも減るとリキッドソープが固まり始めます。試しにリキッドソープのボトルのキャップを1日外したままにしておくと、石鹸がジェル状になり、また少しの水を加えると、リキッドの状態に戻ります。(石鹸の濃さや薄さは含水量によるものではなく、さまざまなオイルの濃度によるものです。)
マジックソープ 液体と固形の違い② 水酸化カリウムと水酸化ナトリウム
リキッドソープは水酸化カリウム、ソープバーは水酸化ナトリウムを使用して油を鹸化しています。理由は、水酸化ナトリウムは水酸化カリウムよりも硬い石鹸を作るからです。どちらも強アルカリ性の物質で、油分子を分解してグリセリンと脂肪酸に分離する働きがあります。分離後、脂肪酸はナトリウムまたはカリウムイオンと再結合して、グリセリンと水(水酸化物)を浮遊させます。 (注:どちらのアルカリ性物質も石鹸の成分には残りません。)
マジックソープ 液体と固形の違い③ 保湿力と肌なじみ
ソープバーにはヤシ油のほかにパーム油が含まれています。パーム油はヤシ油よりも硬い石鹸を作るからです。ヤシ油は固体の状態でも柔らかく、24℃で溶けてしまいます。パーム油が含まれているため、ソープバーの方が少し保湿性が高くなります。ソープバーに使われるパーム油のステアリン酸の方が、ヤシ油のラウリン酸よりも乾燥が少ないと感じる人もいるでしょう。
また、ソープバーには塩化ナトリウムが含まれています。これもソープバーの方が少し保湿性が高くなる理由の1つです。私たちの体には塩分が含まれているので、純粋な水よりも塩水の方が肌になじみも良くなります。
マジックソープ 液体と固形の違い④ 保湿力と泡のクリーミーさ
リキッドソープはアサ種子油、ホホバ油、ヤシ油、オリーブ果実油をすべて一緒に鹸化して石けんを作ります。ソープバーはヤシ油、パーム油、オリーブ果実油をまず鹸化し、その後にアサ種子油とホホバ油を追加します。これは「スーパーファット」と呼ばれる方法です。リキッドソープでもアサ種子油とホホバ油のスーパーファットを試したことがありますが、油が上に浮いて分離してしまい、うまくいきませんでした。この方法を使うことでソープバーのクリーミーな泡を生み出し、保湿力を少し高めています。
マジックソープ 液体と固形の違い⑤ 香りの豊かさ
リキッドソープの方がソープバーよりもエッセンシャルオイルの濃度が高くなっています。これもまた石けんの固さの問題で、エッセンシャルオイルの濃度が高くなるとソープバーを柔らかくしてしまいます。これはフレグランス入りのマジックソープ(ベビーマイルドを除くすべてのマジックソープ)に言えることです。
より豊かな香りを楽しみたい方やエッセンシャルオイルの効能を求めている人にはリキッドソープがおすすめで、ほのかな香りが好きな方にはソープバーがおすすめです。
マジックソープ 液体と固形の違い⑥ 使用用途
リキッドソープとソープバーのどちらも洗顔、ボディソープ、シェービングに使えます。リキッドソープはさらに多くの用途があり、食器洗い・部分汚れのお洗濯・野菜や果物洗い・家のお掃除・おもちゃのお手入れ・メイクブラシのお手入れ・犬用シャンプーなど全部で10通りの使い方があります。様々な用途に使用するには、リキッドソープが便利でおすすめです。
成分で検証してみて、ドクターブロナーのマジックソープは、ソープバーの方が保湿力がやや高く、リキッドソープの方が豊かに香ることがわかりました。また使用用途については、リキッドソープの方が多くの洗剤の代わりに使うことができます。マジックソープとマジックソープバーのどちらが好みか、ぜひ試してみてくださいね。